うまくいかなくなるのではない、最初からうまくいっていない
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「まずは行動!」「とにかく行動!」といったアドバイスはよく耳にする。
確かに行動が結果を生み出すから行動は大事だ。
しかし、最近読んだ「BIG THINGS どデカいことを成し遂げたヤツらはなにをしたのか?」という本で、この「まず行動」という考え方に思わぬ落とし穴があることに気がついた。
ゆっくり考え、すばやく動く
この本では、「ゆっくり考え、すばやく動く」ことの重要性について説いている。
ほとんどのプロジェクトは逆で、「すばやく考え、ゆっくり動く」になっているという。
なぜ「ゆっくり考え、すばやく動く」が良いと言えるのか?
それは「動く」ことにはとてもコストがかかるからだ。
このコストを最小限にすることが、プロジェクトの成功確率を高めるために必要だ。
計画と実行
「考える」と「動く」という言葉を、「計画」と「実行」という言葉に置き換えて、それぞれについて考えてみる。
まず、計画はコストがかからない。スケッチであったり、レゴブロックを組み立てたり、簡単な試作品を作ったり。
一方で、実行はコストがかかる。
そのプロジェクトを遂行されるために用意された材料費や人件費、これは簡単に手直しが効かない。
1度発注してしまったら引き返すことができない。
動き始めたら軌道修正に骨が折れる。
これが『当初予定していた予算をオーバーした』のような事態を招く。
そのため、計画段階で手直しや改善のコストが小さいことを利用し、うまくいく実行計画が立てられるべきだ。
まず行動の使い所は?
では、「まず行動」は問題のあることなのか?
そうではないと思う。
これはプロジェクトの規模やそのプロジェクトにおける経験によって調整されるのが望ましいと思う。
綿密な計画が必要なのは、プロジェクトが大きいときやそのプロジェクトにおける経験が浅く、プロジェクトが実行される工程に対する解像度が低い時には特に行うべきだ。
一方で「まず行動」が必要なときは、すぐに検証可能な場合だ。
例えば、10分で試せることをプランニングするのは時間がもったいないと思う。
その10分でサクッと経験を積んで学びを得ることが重要だ。
後戻りできるのであれば、サクッと実行する。
リスクとリターンを考えろ、ということなのかもしれない。
さいごに
私たちは、前に進んでいる感覚が欲しいからついつい実行してしまう。
計画をしていても現実は動いていないように感じるからだ。
ただ、プロジェクトの性質によっては、綿密な計画は重要になる。
とても印象に残っていて、つい笑ってしまった言葉が本書に刻まれていた。
「うまくいかなくなるのではない、最初からうまくいっていない」