今を生きる、それを選ぶ勇気

人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に、積みへらすべきだと思う。財産も知識も、蓄えれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失ってしまう。過去の蓄積にこだわると、いつの間にか堆積物に埋もれて身動きができなくなる。

引用:自分の中に毒を持て<新装版>|岡本 太郎

大学在学中にこの本を読んだ。
この文を読んだ瞬間、しっくりきた。
納得せざるを得ない。
スッと入ってきた。

大学中退が大切なことを教えてくれた

私は大学を中退した。
一般的には、大学中退は「不完全」や「失敗」のステップと見られがちだ。
でも私にとって、それは自分を再定義する大切な機会となった。

今振り返ると、大学を中退したことは私の人生の中で重要な決断の一つだった。
それは私に「決断」の大切さを教えてくれた。
決断とは、
「決めて断つ」
自らの選択に責任を持つ。

私にはその選択が新たな可能性を切り拓く第一歩だった。

理科大での日々

私は、東京理科大学工学部建築学科に進学した。
大学の教室では、興味ある講義は最前列で授業を聞いていた。
それ以外の時間では、自由に過ごすことがほとんど。

当時はバンドマンであり、イベンターでもあった。
他大学に通う親友たちと「あーでもないこーでもない」と言い合いながら、ものを作り、披露するのは実におもしろく有意義な時間だった。

そのため、授業の時間の一部は、

  • 歌詞を書く
  • ライブのパフォーマンスの内容を練る
  • 創作ワークショップの内容を練る
  • お祭りの内容を練る

などに充てた。

あまり学校内の活動にはおもしろさを感じられなかった。
入学したての頃、サークルの新歓があった。
大学の先輩と思われる人たちから、いくらか話を聞いた。
どれもおもしろくなさそうだった。

建築には魅力を感じていた。
ただ、職業として生涯追求する明確な意志はなかった。
私は「建築」をやりたいのではなく、
「システム思考的なアプローチでものを考えること」に魅力を感じていたことに気づいた。

同時に

  • 大局の流れを観てつながりを感じ、全体像を把握すること
  • 本質を捉えて、持続可能性があり価値あるものを生み出し続けること

に意義を感じた。

在学中に2つのイベント(小学生向けのワークショップと大学生向けのお祭り)の企画運営をした。
ワークショップの参考ページ↓

史上初、作品を作ってお子さんの可能性を発見しよう! 行動タイプから職種を診断!!

この経験から、
参加者の「気づいたら夢中になっている姿」や「一人一人が力を発揮する姿」を見て、
一人ひとりの可能性と情熱がどれだけの大きなパワーを生み出すことができるのかを実感した。

中退を決意した

次第に私は心の底からワクワクできない学生生活に時間を捧げることに違和感を感じるようになっていった。
また、そんな私のために高い学費を支払ってくれる両親への申し訳ない気持ちも募っていった。
私は、自らの心と向き合い、無条件な自分と出会いたかった
よりおもしろいモノ・コト・ヒトに人生の時間を使うと決めた。

そして、私は大学をやめた。

その後の歩み

当時の私にお金はなかった。 銀行口座を見てもお金はないし、なんならクレジットカードの支払いを延滞している時期もあった。
しかし、奨学金と母親から借りたお金で、当時の私には高額なMacbook Proを手に入れた。

そのおかげで今がある。ありがとう。
(今では母親が行きたいと言っていた沖縄旅行をプレゼントできるようになった。嬉しい。)

大学中退後は、事業の立ち上げを経験した。
私はエンジニアとして参画したが、断念し撤退。

その後、スタートアップ企業でエンジニアとして経験を積んだ。
スタートアップでの社員の経験はとても有意義だった。

人数が少ないので、社長を含め全員が何を考えながら、どんな業務をしているのかを肌で感じることができた。
「会社」という組織がどのように成り立っているのかを俯瞰できた。

1社目ではビジネスを学び、多様な人たちと出会った。
2社目ではエンジニアリングにどっぷりつかった時間だった。
両社とも、なにもできない私を雇っていただき、とても感謝している。

そして、個人事業主となり、個人で仕事をするようになった
社員から個人事業主に移行すると、エンジニアとしての技術的な仕事だけではなく、多くの役割と責任を担うこととなった。

  • 営業活動
  • マーケティング
  • 税務
  • 契約管理
  • 業務管理・計画
  • 経費管理
  • リスク管理
  • 総務・行政手続き

などが出てきた。

そして数年が経ち、「ぼくらはてんさい」を立ち上げた
今やっていることは、こちらから。

プロフィール

これまでのこと 千葉県出身。 子供の頃は野球やパソコンに夢中で、小学4年生の時にはプロ野球の試合結果が見られるサイトを作成しました。 中学生で、エレキギター、高校…

こうして、29年間、選択を重ねてきた。


ただ、選択の結果どうなるかは運次第。

まとめ

あのときの大学中退という選択なしでは、自分のポジションをゼロに置き直し、ものごとに取り組むことができなかったと思う。
過去のしがらみに囚われず、大学中退という自らの選択に責任を持つことで、私は中退からエンジニア、個人事業主、そして法人設立へと踏み出すことができた。
誰もが自分の人生の舵取りをする力を持っている。
どんな選択でもそれを決断することで、おもしろい新しい扉が開く。

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